千葉県公立高校入試、マークシート導入へ



 千葉県教育委員会が2023年6月14日に検討会議の報告書を公開しました。中でも注目すべきことが「マークシート方式とデジタル採点の導入」を提言したことです。報告書はこちらからご覧いただけます。 



 報告書では5つの提言を示しています。


【改善策1】マークシート及びデジタル採点システムの導入

【改善策2】問題の配列・解答用紙の構成の改善

【改善策3】2系統での採点と、合否ボーダーライン付近の点検の実施

【改善策4】採点業務に集中できる日程の工夫

【改善策5】県教育委員会からの指示(統一のマニュアル)



 一番最初の提言はやはり「マークシート及びデジタル採点システムの導入」でした。報告書では、記述問題の採点に注力できること、デジタル採点システムを導入することで小計、合計についての誤りを防ぐことができること、業務負担が減ることで点検作業のための時間を確保できることなどの利点が挙げられていました。


 また背景として、細かい採点マニュアルを作成して正しく運用していてもヒューマンエラーを防ぐことは難しく、決められた日程の中で採点を行うことや、機密性の高い学力検査の採点に携わることのできる者は限られるため、採点の日数や人数を増やすことができないという事情にも触れられていました。


 さらに高等学校校長や採点担当者に行ったアンケートでは、134校中98校の校長が、そして採点担当者の496名が「マークシート方式を導入すること」を最も該当すると考えるものに選んでいました。


 報告書の内容を見る限り、おそらくほぼ確実にマークシート方式とデジタル採点の導入は行われるでしょう。模試会社でも導入が進んでいますし、私も仕事で触れたことがありますが、確実に減りますし、ミスも十分防げると思います。




 気になる記述問題がなくなるかどうかですが、結論として記述問題はなくなりません。報告書では、「受検者の思考力及び表現力をみることや、中学校等での学習への影響を考慮し、記述式問題は残すべき」と述べられています。


 マークシート方式とデジタル採点を導入し、負担を減らした分、記述問題をじっくり採点するということでしょう。現状ではマークシート+記述併用方式が濃厚ですね。あとは、その配分がどのくらいになるかということですね。


 本日はここまでとします。続報をお待ちください。