今回は世界地理からの出題です。2022年度や2023年度の問題をモチーフにしています。緯線や経線を正しく理解できていますか??近年頻出の内容ですよ!!前回の問題はこちら。
難易度〈★★☆☆〉
※難易度の目安
〈★☆☆☆〉基礎。千葉県入試よりも易しめ。
〈★★☆☆〉標準。千葉県入試並の難易度。
〈★★★☆〉応用。千葉県入試よりも難しめ。
〈★★★★〉発展。難関国私立入試レベルの理不尽な問題。
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答えと解説はこの後にありますよ!
〈答え〉
① Ⅰ:X Ⅱ:イ ② D、南アメリカ州
〈解説〉
2022年度は赤道が問われたので今回は日付変更線を題材に。実は2016年度の後期入試以来、出題がされていないんですよね。今年あたり、狙われるかも??
では、①から解説していきます。日付変更線は東経西経180度の経線のことであり、この線を西から東に移動すると日付を一日遅らせ、東から西に移動すると日付を一日進めます。本来は真っすぐな線ではないのですが、問題の都合上、直線で表記しています。
本初子午線はイギリスのロンドンを通りますから大体わかるかもしれませんが、日付変更線は意外と危ういのでは??
日付変更線を覚えるポイントはずばりニュージーランド!!ニュージーランドのすぐ右の経線と覚えておきましょう。というわけでXが日付変更線になります。
続いて緯線bが北緯何度であるか求めてみましょう。文章では「緯線bは緯線aと赤道が等間隔になるように引かれています」とあるので赤道と緯線aの緯度が分かれば判断できますね。
赤道は北緯南緯0度の緯線でしたね。これは大丈夫でしょう。問題は緯線aです。こういう時は通っている地域や国に注目してみましょう。緯線aはヨーロッパ州ではポルトガル、スペイン、イタリアなどを通っています。
この段階でピンと来た人はナイスですね!日本は小さくて分かりづらいですが、東北地方北部、だいたい秋田県、岩手県あたりを通っていると判断できます。つまり、緯線aは北緯40度の緯線であると判断できますね!知らなかった人は今覚えちゃいましょう。日本の秋田県や岩手県を通る北緯40度の緯線はヨーロッパ州の国ではポルトガル、スペイン、イタリアあたりを通過します。都市では中国のペキン、アメリカのニューヨークを通過します。覚えておいて損がないですよ!
ということで緯線bは北緯20度で確定ですね。ちなみに、日本の領域を使っても解くことができます。日本は北緯20度から北緯45度に位置しています。北緯20度は日本の最南端の沖ノ鳥島の位置です(地図からは読み取れませんが)。北緯45度は日本の最北端の択捉島ですね。これは地図上でも分かるので、緯線aがおおよそ北緯40度付近ではないかとあたりをつけられたでしょう。
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続いて②の問題を。近年、こういった説明文から国などを特定する問題が増えています。まずは地図上のA~Dの国を確認しましょう。Aはヨーロッパ州のノルウェー、Bはアジア州のモンゴル、Cはオセアニア州のオーストラリア、Dは南アメリカ州のアルゼンチンです。
それでは説明文を順番に読み解きましょう。まずは「この国の中央には草原地帯が広がっており」から。Bのモンゴルは乾燥帯のステップ気候に属しますから丈の低い草原が広がっています。また、Dのアルゼンチンにはパンパと呼ばれる草原地帯がありました。反対にCのオーストラリアの中央部は砂漠地帯となっています。
次に「南部の一部には砂漠地帯が見られる」とありますね。一気にわけが分からなくなりました。冷帯(亜寒帯)に属するAのノルウェーには砂漠はないでしょうし、Bのモンゴルは乾燥帯といってもステップ気候ですから砂漠はありません。となるとCのオーストラリアかと思ってしまいますが、南部というのが気になります。ここは飛ばして他の箇所を見ていきましょう。
文章の後半には「右の写真はこの国の南端で見られる氷河であり」とあります。氷河と聞くとすぐ冷帯に属するAのノルウェーに飛びつきたいですが、ちょっと待ってください。
「南端」というのが気になりませんか??そもそも氷河はどこにあるでしょうか??まずは南極大陸が思い浮かびますね。そして文章中にもあるグリーンランド。高緯度の地域に見られるもの、それが氷河であると定義できます。
そう考えると高緯度に属しており、氷河が見られる国が分かったのではないでしょうか。そうですね、Dのアルゼンチンです。アルゼンチンの南端は寒帯に属しています(冷帯は北半球のみですので間違えないように)。ということで、答えはD、南アメリカ州ですね。アルゼンチン南端のパタゴニア地方にあるモレノ氷河には毎年多くの観光客が訪れています。教科書にも写真が載っていますのでぜひ確認してください。
余談ですが、アルゼンチンの南部には砂漠地帯があります。温帯だけでなく、乾燥帯、寒帯、高山気候とさまざまな気候が分布するのが面白いですね。
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