今回も世界地理からの出題です。資料の読み取り形式、国を特定する問題は千葉県入試の頻出問題です。しっかり準備したいところ。今回は少し見慣れないグラフが出ますが、大丈夫でしょうか??前回の問題はこちら。
難易度〈★★☆☆〉
※難易度の目安
〈★☆☆☆〉基礎。千葉県入試よりも易しめ。
〈★★☆☆〉標準。千葉県入試並の難易度。
〈★★★☆〉応用。千葉県入試よりも難しめ。
〈★★★★〉発展。難関国私立入試レベルの理不尽な問題。
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答えと解説はこの後にありますよ!
〈答え〉
A国:ウ D国:エ
〈解説〉
今回は食料自給率がテーマです。食料自給率は当然、農業との関連も深い項目。国や地域ごとの農業の特色を踏まえて判断していきましょう。
まず、地図上のA国~D国の確認をしましょう。A国はヨーロッパ州のドイツ、B国はアジア州のインドネシア、C国は北アメリカ州のアメリカ合衆国、D国は南アメリカ州のブラジルです。
続いてちょっと見慣れないグラフに注目しましょう。今回、出されたグラフはレーダーチャート。5つの項目の割合を線で結びつけ、面積で示したグラフです。項目は小麦、砂糖類、野菜類、果実類、肉類の自給率です。中心点が0%であり、そこから外側に行くほど自給率が高くなります。なお、自給率は生産量が自国の消費量を上回ることもあるため、100%を超える場合があります。
ここまでの説明で、読み取りの準備ができましたね。では、一つずつ読み取っていきましょう。まずはアのグラフから。注目すべきは小麦の自給率が0%ということです。つまり、アのグラフの国は小麦が全く作られていないということです。ということは小麦の生産が盛んな地域ではありません。となると、赤道直下の熱帯、アジア州のB国(インドネシア)となりますね。
小麦は寒さに強く、降水量の少ない地域でも栽培できるため、フランスやロシアといったヨーロッパ州の国で栽培が盛んです。一方、米は温暖で降水量の多い地域で栽培されるため、主にタイや日本などのアジア州の国で栽培されています。
続いてイのグラフを読み取りましょう。イのグラフは小麦の自給率が150%を超えています。ということはヨーロッパ州に属するA国(ドイツ)でしょうか。
ちょっと待ってください。農業が盛んなC国(アメリカ合衆国)の可能性も捨てきれません。こういうときは一度、判断を保留にしましょう。
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ではウのグラフはどうでしょうか。小麦、砂糖類、肉類の自給率は100%を超えていますが、野菜類、果実類の自給率は50%を下回っています。果実や野菜が作りにくい気候??つまり、寒いってこと??
そう考えると、見えてくるものがあります。小麦と肉類の生産が盛んということで思い出す農業はありませんか??そうです、「混合農業」ですね!混合農業は小麦などの栽培とともに家畜の飼育を行う農業でフランスやオランダといったヨーロッパでも北部の方で盛んな農業です。ということはA国(ドイツ)で決まりですね!
そうするとイのグラフはC国(アメリカ合衆国)となります。アメリカ合衆国は農業が盛んであり、世界の食糧庫とも呼ばれています。小麦の自給率の高さにそれが表れていますね。
最後にエのグラフですが、砂糖類の自給率が圧倒的ですね。200%を超えています。砂糖と聞いて、もう気づいた人もいるでしょう。そうです、さとうきびですね。さとうきびは熱帯などの温暖な地域で栽培されている作物です。D国(ブラジル)はさとうきびなどを原料としたバイオエタノール(バイオ燃料)の生産も盛んでした。そこに気がつけば、判断は難しくないですね。
余談ですが、A国(ドイツ)の砂糖類の自給率が100%を超えているのは、砂糖の原料となるてんさい(ビート)の生産が盛んなためです。てんさいは比較的寒い地域でも栽培できる作物であるため、ロシアやドイツなどで生産が盛んです。必ずしも砂糖の原料はさとうきびだけではないんですね。
まとめですが、読み取りをするときは数値の大小、またはゼロに注目しましょう。そこを突破口に知識と結び付けて判断しましょう。
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