前回、標準偏差をもとに5科目の目安得点の話をしましたが、科目ごとに取るべき点数が違うということも意識しなければいけません。今回は、どの科目でどの程度点数を取るべきかという話をしていきます。前回の内容はこちら。
標準偏差が大きいほど差がつきやすい
標準偏差の大きさについて、2023年度(令和6年度)の英語と国語で考えてみます。
【英語】
平均点:47.6点 標準偏差:23.2
【国語】
平均点:47.9点 標準偏差:15.5
平均点だけ見ると大差がないように思われますが、実際はそうではありません。標準偏差とは母集団のばらつきを示すものです。つまり、標準偏差が大きいほど差がつきやすい科目といえます。標準偏差一つ分にはおよそ68%の人数が含まれます。
2023年の英語であれば概ね25点~70点、国語であれば概ね33点~63点の範囲内に受験生の3分の2が含まれるということになります。こう考えると同じような平均点ですが、英語の方がより差がつきやすい科目であることが読み取れます。反対に国語は平均点は英語と変わらないものの、得点が伸びづらい(=差がつきにくい)科目であると言えますね。
以上のことから、同じような平均点でも取るべき点数に違いが出てきます。仮に80点を目標にしたとしても国語と英語ではその難易度に違いが出てくるということです。
最も差がつきやすい科目は英語、理科
2023年度(令和5年度)の平均点、標準偏差、偏差値帯ごとの点数は以下の表の通りです。
英数国の平均点はほとんど変わりませんが、得点差がつきやすい順に並べると英語←数学←国語となります。数学は英語ほどではありませんが、差がつきやすい科目です。3科目の勉強は英数を優先すべきですね。
英語に次いで標準偏差が高いのは理科ですが、平均点が高いことから上位層(偏差値65前後)では大きな差が出ないと考えられます(平均点が高いため100点を取っても偏差値70にはなりません)。また、理社の標準偏差は20前後と高いことから、得点力を伸ばすとしたら理社に重点を置く必要もあります。
これらの点を踏まえると、英語・数学は差がつきやすいため、早めに準備をしておく必要があります。また、理社は点数を大きく伸ばせる科目であるため、入試直前期の追い込みをかけていく必要があるといえます。
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高校別の科目ごとの目安得点
先ほどの標準偏差や偏差値帯ごとの得点を踏まえて科目ごとの目安得点を設定しました。参考にしてください。入試が易化した場合は合格ラインも高まりますので、目標としては各科目、上記の数値+5点くらいとる気持ちをもって取り組むと良いでしょう。
英語 | 数学 | 国語 | 理科 | 社会 | 5科 | |
県立千葉 | 90 | 80 | 75 | 95 | 90 | 430 |
県立船橋・東葛飾 | 90 | 80 | 75 | 90 | 90 | 425 |
千葉東・佐倉 | 85 | 75 | 70 | 90 | 90 | 410 |
市立千葉・薬園台・小金 | 82 | 72 | 70 | 90 | 86 | 400 |
市立稲毛・船橋東・八千代・県立柏 | 80 | 70 | 67 | 90 | 83 | 390 |
幕張総合・千葉西・国府台・鎌ヶ谷・成田国際 | 71 | 66 | 63 | 80 | 75 | 355 |
検見川・津田沼・国分・柏中央・柏の葉 | 62 | 60 | 58 | 75 | 70 | 325 |
千葉女子・磯辺・船橋芝山・市川東 | 57 | 55 | 55 | 70 | 63 | 300 |
千葉県の公立御三家を目指す場合、標準偏差の大きい英語・理科・社会は90点以上を取る必要があります。一方、国語は平均点、標準偏差を踏まえても80点以上を取るのが難しいでしょう。そのため、70点台が取れれば十分です。
佐倉や千葉東、薬園台などの難関校の場合も同様で、英語・理科・社会で90点以上取れるとかなり優位に立つことができるでしょう。問題は比較的点数の伸びにくい数学・国語で取るべき問題を落とさないことが重要であると言えます。
偏差値55~60前後の中堅校であれば、理科・社会で80点以上を取れることが望ましいですね。理社の点数が伸びる分だけ英数国の取るべきラインを低くできます。とはいえ、差が出ない程度には取る必要がありますが。
各科目のまとめ
【英語】
難易度が高く、差がつきやすい科目。早めに準備をしておいたほうが良い。
【数学】
難易度が高く、英語ほどではないものの差がつきやすい科目。早めに準備しておいた方が良い。
【国語】
難易度が高いが、差はつきにくい科目。優先順位は5科目で一番低いといえる。
【理科】
難易度が低く、差がつきやすい科目。直前期に点数を伸ばせる科目であるが、上位層ほど差がつきにくい。
【社会】
理科ほど難易度が低くないが、差がつきやすい科目。直前期に点数を伸ばせる上、上位層でも差がつきやすい。
本日はここまで。お読みいただきありがとうございました。
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