【令和5年度】千葉県公立入試社会振り返り(大問4)



 今回は大問4の振り返りを。大問3の振り返りはこちら


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【大問4】全体の難易度〈★★★☆☆〉

・全体の所感
➝一見解きやすそうに見えますが、よく見ると難易度高め。ただ、読み取り、語句記述、並び替えとバランスよく配分されているので、良い構成だと思います。

(1)弥生時代中期の世界の情勢(予想正答率30%)
➝うーん、難しいだろうなあ。世界文明に関する問題は2019年後期以来。その上、難易度も2019年と比べても高い!まず、弥生時代が紀元前3世紀から3世紀ごろだと理解ているかが前提。そして、中期なので漢書地理誌(紀元前1世紀ごろ)や後漢書東夷伝(1世紀ごろ)のころ。この時点でイの殷の説明は切りたいところ。そして、正解のローマ帝国が漢の成立とほぼ同時期だと理解できていたか。入試でも頻繁に扱われる項目でもないため、正答率は30%ほどと見ます。

(2)語句記述(予想正答率50%)
➝「口分田」という語句自体は難しくないのだが、いかんせん漢字指定になると正答率が下がる傾向があります。今年の受験生は教科書の太字語句が漢字で書けるように練習しておきましょう。

(3)鎌倉時代のできごとの並び替え(予想正答率60%)
同時代だと正答率が下がる傾向があります。とはいえ、誤答の選択肢は白河上皇だし、承久の乱後に御成敗式目、フビライ・ハンの服属要求は元寇に置き換えられるのでそこまで難しくない。気になるのは千葉県「後鳥羽上皇」大好きだよなあ。去年は誤答の選択肢で出てきたし、一昨年は条件記述の題材だったし。こういう風に何年も使いまわすことあるんだよね、千葉は。

(4)江戸の改革の説明(予想正答率70%)
➝「天保の改革」という語句もあるので、すぐに「水野忠邦」だと判断してほしい。もう一つの政策に関しても誤答が「座の廃止」なので明らかに時代が違う。千葉県だけではないですが、江戸改革期は入試の定番なので、主な改革の実行者とその業績は押さえておきたいですね。

(5)江戸時代の海外の交流(予想正答率75%)
➝対馬藩が交流していた「朝鮮」を選ぶ問題。ひねっていないし選択問題なので、正答率は高いと見る。ちなみに江戸時代の四つの窓口に関する問題は2018年後期に出題されています。(1)も踏まえると今年は2018年や2019年の題材をリメイクした問題が多い印象。

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