前回に引き続き、進学校と附属校の進学事情を整理していきます。前回はこちら。
前回は国府台高校を題材に進学校の進学事情を整理しました。Vもぎ偏差値56前後、内申オール4前後の高校だとGMARCH以上におよそ20%、日東駒専クラス以上の有名大学にはおよそ半数が進学するというものでした。
では、附属校として挙げる日本大学第一高校はどうでしょうか。
ホームページにも載っていますが、日本大学への進学率は例年70%前後、2022年度は64.4%でした。
あれ??意外と高くない??と思いましたよね。実は10年ほど前と比べると日東駒専附属校の事情が変わってきています。
実は近年、日東駒専附属で特進コースを設置するケースが増えているのです。いわゆる半附属校化ですね。千葉県だと日本大学習志野や専修大学松戸などをイメージすると分かりやすいですね。どちらも附属への進学者よりも他大学への進学者が多い半附属校です。
特に日大系列の高校は特進コースを設置して、難関大学合格者増にシフトしつつあります。たとえば、数年前には千葉日本大学第一高校が特進コースを設置しました。他県を見ても、神奈川県の日本大学高校や日本大学藤沢高校なども特進コースを設置しています。
実際、日本大学第一高校もGMARCHを中心に合格者を出しています。他大学進学者が100名ほどおり、日大附属進学者も含めると現役進学率は90%以上です。
学力上位20%ほどが難関大学合格を目指し、他大学受験をする、残りの60~70%ほどが日大進学を目指し、勉強を頑張るといったところです。
こう考えると、系列大学進学できる層は、全体のおよそ70~80%と考えても良いでしょう。日々の勉強をしっかり頑張れば、安心して進学先を確保できるわけです。安全志向の生徒や部活との両立をしたい生徒にはまさに附属校は打ってつけですね!
ただし、こういった附属校には注意点が何点かあります。
① コツコツ頑張れない生徒には向かない
日大をはじめ、ほとんどの附属校は選抜テストを課しています。日大の場合は「日大附属基礎学力到達度テスト」というものがあります。ウェイトが1年が2、2年が2、3年が6となっており、「3年になったら頑張る!!」では間に合わない可能性があります。
学校の定期テストもそうですが、こういった選抜テストにしっかり準備していく必要があります。ただ、高3になったら毎日6~8時間勉強し続ける受験勉強と比べたら上手く配分はできると思いますが。
② 特進コースの場合、附属推薦が使えない場合も
学校によって異なりますが、特進コースの生徒は附属推薦を使えない場合があります。特進コースの生徒はその高校の進学実績の稼ぎ頭ですからね。これはしょうがない。とはいえ、系列の附属への推薦を考えて受験する場合は注意が必要です。
③ 他大受験のサポートはほぼない
特進コースは異なりますが、一般的に附属校から他大受験するのはかなり困難といえます。カリキュラムはあくまで系列の大学に進学することを前提に組まれています。大学入試対策などするわけがないのです。
よって他大受験をする場合は、必然的に塾・予備校に通わざるを得なくなります。以前話しましたが、附属校は学費が進学校型の私立に比べて高い傾向があります。何のために高い学費を払って附属校に進学したのか分からなくなりますね。
④ 希望の学部に進学したい場合は、より上位の成績を維持する必要がある
附属校だからといって自由に学部を選べるわけではありません。医学部が一番わかりやすいですが、他の学部も同様です。日大の場合は学部ごとに定員が決まっており、成績優秀者から選抜される仕組みになっています。当然、人気学部(看板学部)は熾烈な競争になりますから、仮に学年の半分以上の成績であっても希望通りになるとは限りません。
最も恐ろしいのは、どこの学部の推薦も取れなかった場合ですね。おそらく他大進学者の一部にはこういった日大の附属推薦が取れずに他大受験をした層がいるはずです。先に書いたことを踏まえるとまさに本末転倒ですね。
まとめると、附属校は以下のような生徒には向いているといえます。
① 安全志向が強い
② 継続的な努力ができる
③ 部活との両立を目指したい
本日はここまで。お読みいただきありがとうございました。