【進路考察】進学校か附属校か④



 大分、間が空きましたが連載再開です。進学校か附属校か。前回以前の記事は以下の通りです。

 第1回  ・第2回  ・第3回



 前提として、僕個人は進学校と附属校にはそれぞれの魅力があると考えています。ただ、子ども本人の性質をよく考えたときに附属校に進学したほうが上手くいく可能性があるのではないかと思う次第です。


 近年の大学入試の難化は皆さんご存じの通りです。今、大学入試は大きく変容しています。

① 定員の厳格化
② 推薦型定員の拡大、一般入試定員の縮小
③ 入試方式の多様化



 ①に関して、数年前に大学の入学定員が厳格化されたことで難易度が上昇しました。今は落ち着いていますが、それでも10年前よりも難易度が確実に上がっています。


 ②に関して、各大学ともに推薦入試の枠を拡大しています。大学によってはおよそ半分が推薦入試枠というところもあります。一般入試はより厳しい戦いになるでしょう。


 そして③ですが、現在は全学部統一入試、全国入試、スカラシップ(奨学生)入試が当たり前となりました。特にこういった入試方式の多様化は日東駒専クラスの大学で顕著になっています。


 軽く調べただけでも大学ごとにA方式やらT方式やらわんさか出てきます。入試方式が多様化すれば一回あたりの入試定員は限られてきます。そうなると難易度が上がるのは必定です。










 以上のことから日東駒専クラスの大学の難易度も上がりつつあります。河合塾が公開している難易度表をもとに簡単ですが、難易度ランク表を作りました。



 文学部系、経済学部系、法学部系に分けて簡単に抜粋したものです。3科の一般入試(個別)を中心に抜粋しました。全学部入試、全国入試、共通テスト併用型、傾斜配点型などは除外しております。


 GMARCHの大学は青字で示しています。見るとおおよそ偏差値55.0~62.5のあたりに分布していることが読み取れます。


 一方、日東駒専の大学は赤字で示しています。偏差値52.5~55.0のあたりに分布していますが、学部学科によってはGMARCHよりと同等、あるいは上回っています。


 今回は記載を除外しましたが、全学部入試を含めるとGMARCHの一般入試(個別)並みの学部学科も存在します。GMARCHと日東駒専の差は確かに存在しますが、思った以上に大きいわけではないのです。


 もちろん、この偏差値も目安にすぎません。入試問題の傾向が大学ごとに違いますので、日東駒専と油断していると足をすくわれることもあります。ゆえに巷では「駒澤は不合格だったのに、法政には受かった」といった話が出回るわけですね。

 
 まとめると、数年前から入試の難易度が上がり、一般入試の定員が縮小される中、入試形式が多様化しつつあり、日東駒専クラスの難易度も上がりつつあるということです。


 それを踏まえると、本人の性質を鑑みればあえて日東駒専の附属校に進学させるのも手ではないでしょうか。


 今回はここまでにします。お読みいただきありがとうございました。