【令和5年度】東京都立入試 社会振り返り(大問1)



 今回は都立入試の振り返りを行います。他の都県の傾向を理解することで、現在の入試のトレンドを理解できるようになります。つまり、何が出題されるのかが見えてくるのです。


 なお、千葉県の入試の振り返りはこちらをご覧ください。




 今回は大問1の振り返りを行います。問題は東京都が公開しており、ダウンロードをすることができます(こちらからどうぞ)。


【大問1】全体の難易度〈☆☆☆〉

・全体の所感
➝問1の断面図がやや解きづらい。とはいえ基本的な問題が多いので、全問正解したいところ。なにせ、この後に恐るべき難易度の問題がゴロゴロ出てきますので。


問1 地形図(断面図)の読み取り(予想正答率60%)
➝ここ2、3年トレンドとなっている断面図の読み取り。等高線への理解、尾根と谷の区別などができていれば十分に正解できます。ただし、注意点としては計曲線(太い線)の読み取り。B地点の南方に示される計曲線は特に記載はありませんが、50mを示す計曲線です。これを100mの等高線と勘違いすると大変なことになります。




 もう少し広い範囲を示した地形図で見てみると、B地点は周りよりも標高の高い谷にあたるということが読み取れると思います。等高線も南東方面でつながっているので太い線が50mを示す計曲線であることは間違いないでしょう。




 実はこんなことをしなくても簡単に解く方法があります。問題を隅々まで読むこと。そうするとこの問題は悩む必要がなくなります。


 最後の<調査を終えて>に「谷を利用してつくられた道」と書いてありますね。その上で選択肢を見ると、谷になっているものは一つしかないため、すんなり選べるという寸法です。


 こういった問題のように、東京都は読み取りをとりわけ重視しています。与えられている情報を整理することで問題を解きやすくなります。丁寧に読み取るためにも作業は必須ですね。







・問2 人物の説明(予想正答率70%)
➝説明文中にキーワードが散りばめられているので、十分の判断できるでしょう。「大名や都市の豪商の気風を反映した早大で豪華な文化」とは桃山文化のこと、「全国統一を果たした武将」とは豊臣秀吉のこと、そして「茶の湯の作法を指導する」がピンポイントで千利休のことですね。これだけで正解できるというもの。


 なお、選択肢に栄西(最近は「ようさい」とも)は鎌倉時代に茶を日本に伝来させたと言われている人物。ここに引っかかってほしくはないなあ。

・問3 安全保障理事会を構成する国(予想正答率80%)
ド定番もド定番ですね。ちゃんと準備している受験生はすんなり解けるでしょう。選択肢も「ケニア」「ブラジル」「インド」と引っかける気がさらさらありません。ここは確実に取りたいところ。



 大問2の解説はこちら。ぜひお読みください。