【令和6年度】千葉県私立御三家、大手学習塾別合格者数の比較

 千葉県公立高校入試の合格発表まであと一週間ですね。今回はすでに大勢が判明している大手学習塾の千葉県私立御三家の合格者数を比較し、この結果を踏まえ各塾の公立御三家の合格者数がどうなるか予想したいと思います。

【調査の対象】

 今回の調査の対象は、東葛エリアに強い老舗の市進学院、千葉市以南に勢力をもつ京葉学院、神奈川を拠点とし、定期テスト対策が充実している臨海セミナー湘南ゼミナールの四つです。早稲田アカデミーは難関国私立高校合格をターゲットとしているので今回は調査の対象外としました。


 千葉県私立御三家は公立御三家との併願もされやすい学校です。それゆえ各塾の私立御三家合格者数を見ることで今年度の公立御三家の合格者数をおおよそ予測できると考えています。それでは順番に見ていきましょう。

【渋谷幕張】

2024年度2023年度2022年度
市進学院11(1921
京葉学院13(2612
臨海セミナー7(1013
湘南ゼミナール13(147

 各塾ともに合格者を減らしています。これは今年度入試で合格者が約30名減少したことが影響していると考えられます。今年度は倍率が3.3倍とかなり厳しい入試となりました。とはいえ、合格者数を見ての通り、これらの塾のメインターゲットではありません。公立御三家と比較してもかなりレベル差があり、どちらかというと記念受験的、高めのチャレンジ校として受けるような学校といえます。公立御三家受験者が積極的に併願するのは残り二校が中心です。

【市川】

2024年度2023年度2022年度
市進学院946871
京葉学院95(10181
臨海セミナー93(9489
湘南ゼミナール21(4327

 2024年度の入試では合格者が20名増えた市川高校。他塾が合格者数を減らす中、市進学院が昨年よりも26名増やしています。そして減らしているとはいえ、臨海セミナーは−1名、京葉学院も2022年度よりも合格者数が多い状況です。


 その中で急減したのが湘南ゼミナール。昨年よりも20名以上合格者を減らしています。公立高校入試にも影響を与えそうですね。

【昭和学院秀英】

2024年度2023年度2022年度
市進学院10393122
京葉学院184178162
臨海セミナー392524
湘南ゼミナール211310

 各塾ともに合格者を増やしていますね。今年度の昭和学院秀英の合格者数は730名と例年よりも60名ほど多い人数だったことが影響していると考えられます。その中でも印象的なのが京葉学院。ここ3年で着実に合格者数を積み増しており、184名の合格者数は早稲田アカデミーの合格者数(168名)を上回っています。

【千葉県私立御三家合計】

2024年度2023年度2022年度
市進学院208180214
京葉学院292(305255
臨海セミナー139129126
湘南ゼミナール49(7050

 千葉県の私立御三家の合格者総数でみると、市進学院と臨海セミナーが増加、京葉学院と湘南ゼミナールが減少という結果になりました。臨海セミナーは毎年、合格者数を積み増していますから、今年度の公立高校入試の合格実績も大いに期待できそうです。

千葉県公立御三家合格者数との相関性

 もちろん完全に相関するわけではありませんが、合格者の推移をみることである程度の動向をつかむことができます。

 上のグラフは2019年から2023年までの各塾の千葉県公立御三家の合格者総数を比較したものです。昨年度の私立御三家の結果では市進学院が大幅減、京葉学院が大幅増でした。その結果を受けてか、公立御三家の合格者数でも同様の傾向が見られ、両塾の合格者の差は20名にまで縮まりました。今年度は市進学院が盛り返し、京葉学院が足踏みしていることからこの均衡状態が維持されると思われます。


 臨海セミナーは私立御三家の実績が伸びていることを考えると公立御三家の合格者数増も期待できそうです。3年ぶりの90名の大台に乗るのでしょうか。


 一方、厳しい結果が予想されるのが湘南ゼミナール。昨年度は私立御三家の実績で検討したものの、公立御三家の合格者数は減らしてしまいました。今年度は私立御三家の実績を減らしていることを考えると厳しい戦いとなることが予想されます。