今回は今までの振り返りを踏まえて今年度の傾向をまとめたいと思います。問題は千葉日報等で公開されています。こちらからどうぞ。
また、都立入試の振り返りも執筆しました。詳細はこちら。
また、大問ごとの振り返りは以下にまとめてあります。
【大問1】 【大問2】
【大問3】 【大問4】
【大問5】 【大問6】
【大問7】 【大問8】
【2023年度本試験】
難易度〈★★★★☆〉
昨年度との比較〈やや難化〉
予想平均点〈54点前後〉
・2023年度入試のポイント
① 資料の活用問題が増加
➝知識だけでなく、資料の活用を要求する問題が増えましたね。大問1と大問3の読み取りは定番としても、大問6では単なる読み取りではなく、項目の特定まで要求してきました。大問7では読み取り形式の条件記述が要求されました。来年以降も単なる読み取りではなく、知識の活用を求める出題形式が出題されそうです。
〈対策〉
・まずは作業を徹底すること。
・数値が出ている場合は数値の大小や変化に注目すること。
・条件記述の資料はすべて活用すること。それぞれの資料から読み取ったことをまとめること。
② それでも知識は必要な入試に
➝読み取りだけではなく、必要な知識が入っているかを問う形式であるといえます。特徴的なのが大問5の並び替えと大問8の略称に関する問題。大問5の並び替えは年号をある程度覚えていた方が解きやすく、また大問8の略称問題は正式名称と略称が結びついている必要があります。ある程度の暗記は必要といえます。
〈対策〉
・教科書の太字語句は覚えること。語句記述で出題される可能性あり。
・主な年号は覚えること。また、教科書の年表ページを見て大まかな流れを確認しておくこと。
・教科書巻末の語句索引に載っている略称は覚えておくこと。正式名称も言えるようにしよう。
③ 語句の定義を明確にしないと差がつく問題構成
➝読み取りが増えたということはそれだけ読み取ったことと自分のもつ知識を結びつける必要があります。大問8のTPPの問題が分かりやすいでしょうか。「太平洋地域」「アメリカが離脱」という内容から環太平洋経済連携協定(TPP11)だと判断できたか。とりわけ条件記述はこの力がより必要になります。大問5の条件記述は難しかったですね。「元首」という語句の定義ができていたか。それだけでなく、満州事変というできごとがどのような経過をたどったのか、説明できる力が求められました。
〈対策〉
・ただ語句を覚えるのではなく、語句を説明できるようになること。
・日ごろから教科書を熟読することが社会得点upの近道になる。
・歴史に関してはできごとの因果を意識して読み込むこと。
④ 過去問を踏まえた出題構成
➝今年度は2018年度や2019年度を参考に作られた可能性が高いです。例年、千葉県入試は3~4年を周期に入試問題の焼き直しが行われます。たとえば、「数年前にシベリア出兵の条件記述を出したので今年はシベリア出兵を語句で書かせよう」といった感じです。よって、過去問は繰り返し解いておくことがおススメです。ただし、問題や答えが全く同じということはないので、間違えた問題の関連事項を教科書で確認しておく必要があります。
〈対策〉
・例年、3~4年周期で入試問題の焼き直しが行われるため、過去問は繰り返し解くこと。
・同じ形式、答えになることはほとんどないため、関連事項を教科書で調べるなどの対策をしておこう。
千葉県が2023年度の入試結果を公表するのは5月末ですかね。そのときに改めて今年の入試を分析するとしましょう。お読みいただきありがとうございました!