【自作問題】千葉県入試型(問5)②

 歴史分野の最後を締めくくるのは冷戦終結以降の現代史。そろそろ狙われる単元ではないでしょうか。前回内容はこちら


難易度★★☆☆

※難易度の目安
〈★☆☆☆〉基礎。千葉県入試よりも易しめ。
〈★★☆☆〉標準。千葉県入試並の難易度。
〈★★★☆〉応用。千葉県入試よりも難しめ。
〈★★★★〉発展。難関国私立入試レベルの理不尽な問題。


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【問題】



答えと解説はこの後にありますよ!














【答え】

① ベルリンの壁 ② ウ ③ Ⅰ:エ Ⅱ:ア



【解説】

 順番に解説していきましょう。まずは①ですが、資料1は教科書にも載っているのでピンときた人も多いでしょう。


 ベルリンの壁は1989年11月9日に取り壊されました。そして、1989年12月2日から3日にかけてマルタ会談が行われました。このとき、アメリカ側からはブッシュ大統領が、ソ連側からはゴルバチョフ書記長が参加しています。そして両首脳は冷戦の終結を宣言しました。1991年にはソ連が解体され、ロシア連邦などが成立しました。


 「ベルリンの壁崩壊➝マルタ会談➝ソ連解体」の流れは押さえておくといいでしょう。


 続いて②ですが、湾岸戦争とイラク戦争はひっかかりやすい内容ですね。区別はできたいところ。


 湾岸戦争は1990年にイラクが隣国のクウェートに軍事侵攻したことをきっかけに、1991年にアメリカを中心とする多国籍軍が派遣されたことでおこりました。時期的には冷戦の終結、ソ連解体の時期と合致していますので、「冷戦の終了➝地域紛争の激化」という流れで整理しておきましょう。


 イラク戦争は2003年にアメリカが大量破壊兵器保有を理由にイラクを攻撃したことをきっかけにおこりました。このときは多国籍軍ではなくアメリカ単体での軍事行動となりました。時期的にはアメリカの同時多発テロ事件がおこった時期と合致しています。「テロの多発とその戦い」の流れで整理すると良いでしょう。


 また、クウェートという国名を選ぶのは少し難しかったかもしれませんが、こういった細部を問う問題は千葉県入試で出題されています。たとえば、2022年度はサラエボ事件をおこした青年はどこの国の出身だったかが問われています。気をつけたいところです。


 最後の問題が一番の難問ですね。この形式は2022年度に出題されています。また、公民分野ではありますが2023年度も出題されましたので、慣れておきたいですね。


 まず、注意したいのはDの時期を確認しておくことです。これをしておかないと、Ⅱの時期を特定できない中で判断することになります。今回は1991年~2010年までになります。そのうえで、資料2内のできごとがいつおきたのか確認してみましょう。


 ヨーロッパ連合(EU)の成立は1993年、阪神・淡路大震災は1995年、北朝鮮の拉致被害者の帰国が2002年のできごとです。ということはⅠは1996年~2001年のできごと、Ⅱは2003年~2010年のできごとを選べばよいわけです。


 では選択肢を一つずつ見ていきましょう。アの「民主党による政権交代」は2009年のできごとです。これはⅡにあてはまる選択肢ですね。


 続いてイの「福島第一原子力発電所の事故」はどうでしょうか。これは2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震をきっかけにおこった事故ですので時期的にあてはまりませんね。余談ですが、地震そのものは「東北地方太平洋沖地震」であり、その地震によって発生した津波や原発事故まで含めたできごとを「東日本大震災」と言います。もちろん、入試レベルではどちらを書いても正解になりますよ。


 ウの「平成改元」は1989年のことですので選べませんね。改元の時期は年表ページにも出ています。今後狙われるかもしれませんね。令和改元は2019年でした。セットで押さえておいても良いかも。


 エの「アメリカでの同時多発テロ事件」はどうでしょうか。これは2001年9月11日におこったできごとですね。ということは、Ⅰの時期にあてはまる選択肢ですね。


 最後にオの「細川護熙連立内閣の成立」を見ていきましょう。細川護熙内閣の成立は1993年。この内閣は38年ぶりに非自民系の内閣として成立しました。つまり、55年体制の終了と同時期ということですね。セットで覚えておきましょう。


 1年単位の判断を要求されましたので難しかったと思います。ですが、これらの選択肢は教科書本文や年表ページに記載がある内容です。実際、2022年度入試では「香港の返還(1997年)」というかなりきわどいできごとが並び替え問題の選択肢として出てきています。年表ページも含めて細部まで確認しておいたほうがいいですね。


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