進学校か附属校か。今回、次回に分けて「日東駒専の附属校はお得なのか」という視点で話をしていきます。前回内容はこちら。
今回比較するのは国府台高校(Vもぎ偏差値56)と日本大学第一高校(Vもぎ偏差値55)です。レベルが近い両校の進学実績を比較することで進学校の強みと附属校の強みが見えてくるでしょう。
ちなみに学校成績(内申)的な難易度で伝えるとオール4前後の生徒が受験する学校といえます。
まずは、国府台高校の大学レベル別の合格者を見ていきましょう。データは2022年度のもので卒業生数は314名です。
※早慶上理…早稲田大、慶応大、上智大、東京理科大
※GMARCH…学習院大、明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大
※日東駒専…日本大、東洋大、駒沢大、専修大
卒業生が314名ですから、卒業生比で合格率はGMARCH以上が44.3%、日東駒専以上が116.2%となります。これだけ見ると、少なくとも日東駒専以上には合格できそうですね。
ですが、実際はそこまで甘くない。国府台高校は実際に進学した割合を公開していましたのでそちらも集計して見ました。
あれ??ってなりますよね。100名以上合格していたGMARCHに進学したのは半分以下。日東駒専にいたってはおおよそ5分の1程度です。これには理由があります。
合格者数は延べ人数であるため、一人1校合格とは限らないからです。
たとえば、A君が早稲田大学の法学部、立教大学の法学部、日本大学の法学部に合格し、早稲田大学の法学部に進学したとします。この場合、それぞれの大学に1名ずつ合格したとカウントされます。しかし、実際に進学するのは早稲田大学ですから、進学者として数えると1名となるわけです。
安全校として志望校より低いレベルの大学をいくつか受ける生徒もいますから合格率が100%を超えることも珍しくないのです。
次に進学率を見てみましょう。
ポイントはGMARCH以上におよそ20%が進学していること、日東駒専まで含めるとおよそ3人に1人が進学していることになります。実際は北里大などの理系の大学の一部などを加えていないので、世間的に評価が高い有名な大学(≒日東駒専レベル以上)にはおよそ2人に1人は進学していると思われます。
GMARCH以上に進学したい場合は学年全体の上位20%、クラス単位で考えるとトップ5には入っている必要があります。ある程度のレベルの大学(≒日東駒専以上)に進学したい場合は少なくとも学年平均よりは上にいるいる必要があります。
先ほども伝えた通り、内申を基準で話をすると国府台高校はオール4前後の努力ができる、ある程度勉強を頑張れる生徒たちが集まります。その中で半分より上に居続けることを困難と考えるか、チャンスと考えるかです。
見方を変えれば、勉強を頑張り、上位20%以内に位置すればGMARCH以上、それこそ早慶や国公立も見えてきます。もちろん、塾通いはある程度必要でしょうし、部活に専念できない部分もあるかもしれません。
私も塾講師として、教え子が入学後に伸び悩むというのも見ています。「背伸びして進学校に入ってもその後ついていけないんじゃないか…。」と心配する親御さんが減らない訳です。
そう考えると、進学校は負けず嫌いや、他者と切磋琢磨することが好きなど競い合いに適した人に向いているかもしれませんね。
次回は、附属校の進学事情について掘り下げていきます。