今回は大問5の振り返りを。大問4の振り返りはこちら。
問題は千葉日報等で公開されています。こちらからどうぞ。
【大問5】全体の難易度〈★★★★☆〉
・全体の所感
➝新紙幣の肖像画の人物(北里柴三郎、津田梅子)が出てきたり、2025年に再び万国博覧会を開く大阪が答えになったりするなど、時事的な出題が目立ちましたね。千葉県は積極的に時事的なネタを使わないのですが、どうしたんでしょうか??設問ごとに見ると並び替えと条件記述がえげつない。
(1)派遣された使節団の説明(予想正答率70%)
➝派遣された使節団の名称が分かれば「岩倉具視」は選べるでしょうし、「津田梅子」も誤答の選択肢が「樋口一葉」ですので、ひっかかる可能性は低いかな。この後に恐るべき難問が出てくるのでここは確実に正解しておきたいね。
しかし、現一万円札と現五千円札の肖像画である「福沢諭吉」と「樋口一葉」を出すあたり、徹底しているなあ、作問者。
(2)1894年~1914年の間におきたできごとの並び替え(予想正答率30%)
➝これはエグい…。選択肢の年号を見れば一目瞭然です。
ア 韓国併合(1910年)
イ 日英同盟(1902年)
ウ 二十一か条の要求(1915年)
エ 三国干渉(1895年)
並び替えること自体は難しくない。問題は誤答の選択肢をどう切るか。ウが誤答の選択肢であるものの1年違いであるため、判断が相当悩ましい。
もちろん、日清戦争(1894年)→下関条約で遼東半島獲得(1895年)→三国干渉(1895年)という流れか、第一次世界大戦(1914年)→ドイツ領山東半島攻撃(1914年)→二十一か条の要求(1915年)という流れが分かっていれば切れるのだが、いずれにしても年号を覚えていないと立ち向かうのが難しいなあ。
(3)1914年~1931年の間におこったできごとの説明(予想正答率60%)
➝空欄の一つが( )会議となっているので、「ワシントン会議」は出てくるかなあ。もう一つも山東省の権益を日本が引き継いだことを知っていれば「中国」が選べるだろう。むしろ「○○省」の段階で中国しかないと思うのは大人だからかな。
(4)条件記述(予想正答率10%)
➝間違いない。これが一番難しいし、正答率も一番低い。題材としては満州事変から満州国建国までの過程についてなのだが、まず条件語句が意地悪。
条件語句は「元首」と「実権」なのだが、まず受験生が「元首」が何であるか理解できていたか。首相とかならまだしも多くの受験生が正しく意味をつかめなかったんじゃないかな。
あとは文脈も書きづらい。「その後、1932年に建国された満州国は、清の( )が握った。」
書くべき内容は二つあるのだが、そのどちらも書きづらい。
・清の最後の皇帝であった溥儀(ふぎ)が元首となった
・実験は日本が握った
次の難題は「国家元首が溥儀である」ことをどれだけの受験性が理解していたかなんだよね。別に「溥儀」は太字語句でもないし、きつかろう。
最後の関門は、「満州国が日本がでっち上げた傀儡政権である」ことを理解できていたか。まあ、これは何となくわかるか。
よくて「日本が実権を握った」を書いて部分点狙いかな。とりあえず、満点解答ができた生徒は相当歴史を勉強しているといえますね。
(5)科学の発展のことがら(予想正答率75%)
➝「1970年に『人類の進歩と調和』をテーマとして、( )で開催された日本万国博覧会」という文脈から歴史的知識でも解けますし、「2025年に再び( )で、100か国以上が参加する日本万国博覧会を開催」という時事的な文脈からも解けます。難易度は易しめといえるでしょう。
大問6の振り返りはこちらからどうぞ。ぜひお読みください!