今回も歴史分野からの出題。中世から近世を題材としています。今回は条件記述があります。千葉県の条件記述は書きづらい…良い練習になると思いますよ!前回の問題はこちら。
難易度〈★★★☆〉
※難易度の目安
〈★☆☆☆〉基礎。千葉県入試よりも易しめ。
〈★★☆☆〉標準。千葉県入試並の難易度。
〈★★★☆〉応用。千葉県入試よりも難しめ。
〈★★★★〉発展。難関国私立入試レベルの理不尽な問題。
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【問題】
答えと解説はこの後にありますよ!
【答え】
① イ ②(例)人間らしい個性や自由を求め,古代ギリシャやローマ(24字)
③ ア ④ ア
【解説】
設問ごとに解説していきますね。まずは①から。「二条河原落書」は全教科書(東書・帝国・教出)で記載があるので押さえてほしい資料ですね。ちなみに今回は解説文中にもヒントが潜んでいます。それは「綸旨」の説明です。
「綸旨」は「天皇の命令」とありますから、この段階で「後醍醐天皇」が選べるようになっています。もちろん、「二条河原落書」が後醍醐天皇の建武の新政を批判したものであることは知っておいてほしいですがね。
建武の新政は天皇中心の政治を復活を目的に行われましたが、これが大失敗。なんと2年あまりで終わりを告げます。理由としては、倒幕に活躍した武士勢力を冷遇したことがあげられます。結果、足利尊氏が反旗を翻し、京都に北朝を立てる事態となります。後醍醐天皇は奈良の吉野に逃れ、南朝を打ち立てます。60年続く南北朝時代(南北朝の内乱)の始まりですね。
続いて②は条件記述です。千葉県では20字から最大で40字程度の条件記述が出題されます。条件語句があることが多いですが、難易度が高く、教科書の読み込みの精度が重要となってきます。2023年度の条件記述は特に難しかしく多くの受験生が苦戦しました。詳細はこちら。
今回はルネサンスの説明ですね。条件は「個性や自由」「古代」の二つの語を用いて25字以内(読点を含む。)となっています。文脈を見ると、「カトリック教会の考え方にとらわれずに,( )の文化を理想としたルネサンスと呼ばれる運動」とありますね。
ヨーロッパの文化は古代(キリスト教以前)、中世(キリスト教以降)、ルネサンス期に大別できます。教科書では古代、中世、ルネサンス期の三美神の絵画が比較されています。ちなみに中世の三美神は以下の通り。
中世はキリスト教カトリック教会の全盛期。カトリック教会は裸体などの人間的な身体の美しさ、人間的な個性を自由に表現することはタブーとされていました。ゆえに中世の三美神は平面的で身体的な美しさが制限されています。これがルネサンス期になると…
ボッティチェリの「春」はルネサンス期に描かれた三美神の代表作。立体的に身体の美しさがありのままに表現されています。このようにルネサンス期にはカトリック教会の考え方に捉われない、「人間的な個性や自由を求めた」運動だったんですね。
そして、このような風潮のもととなったのが「古代ギリシャやローマ」の文化でした。つまり、キリスト教が誕生する以前の文化!これが東ローマ帝国、のちのビザンツ帝国にはまだ残されており、十字軍の遠征などの影響によりイスラム勢力との交流が盛んになると再びヨーロッパの国々にもたらされました。これによって、ルネサンスの活動が活性化していくわけです。
まとめるとルネサンスは、
・古代ギリシャやローマの文化を理想とした運動
・人間らしい個性や自由を表現しようした運動
といえます。これをまとめられればOKです。少し難しかったかな??
そして③ですが、ポイントは「松前藩」!さて、江戸時代には4つの窓口がありましたね。
窓口 | 担当 | 交易相手 | 交易品 |
長崎 | 江戸幕府 | オランダ、中国(清) | 生糸など |
対馬 | 対馬藩 | 朝鮮 | 生糸、木綿など |
薩摩 | 薩摩藩 | 琉球王国 | 砂糖、生糸など |
松前 | 松前藩 | アイヌの人々 | 毛皮、海産物など |
この表の内容は理解しておきたいですね。もちろん、各藩の場所も。ちなみにオムシャは全教科書(東書・帝国・教出)で新たに記載された内容ですので、出題されやすい内容といえます。しっかり確認しておきたいですね!
最後に④の解説を。ここでも注目したいのは解説文。親切にも「19世紀前半の」と書いてありますね。下線部だけでなくその前後にも注目しましょう。意外なヒントがあるものですよ。
ということで後は19世紀前半(1800年~1850年)のできごとを選ぶだけです。アは「異国船打払令」は1824年に出されたのでこれが正解。イの「極端な動物愛護令」は徳川綱吉が出した生類憐みの令(政策)ですね。徳川綱吉が将軍になったのは1680年、生類憐みの令が出されたのが1685年ですから17世紀後半のできごとですね。
ウは豊臣秀吉が行った「太閤検地」の内容。1582年から開始された政策なので16世紀後半のできごとですね。エは「天明のききん」というキーワードから広げましょう。天明のききんは1782年におこりました。ということで18世紀後半のできごとですね。このときの政権担当者が田沼意次であること、天明のききんに対応するために改革を行ったのが松平定信(寛政の改革)ということもセットで押さえておきましょう。
ちなみにこれらの年号は教科書の年表に載っているものです。主なできごとの年号は覚えておきたいですね!
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